5150ステッカー

エディの5150(ほぼ同型の1984も)にはフロイドの下に「5150」、
ヘッドには☆、6弦側カッタウェイの壁面にも☆が貼られている
今回はこのステッカーを正確に作る為に調べた事をまとめる。
注:あくまでワタシが調べて感じた説で、色々な方の諸説と違う場合があります。
もちろんワタシが不正解の場合もありますのでご了承下さい。
ご本人が正解を話さない限り、諸説入り混じるのはむしろ良い事だと思います。



なぜステッカーを貼ったのか?

の件についてはあまり語られていない。単にアルバム5150を象徴する為の物とすると、特に考える事も無く受け入れられる。
そもそも5150とは、米国ロサンゼルス警察で、「極悪犯人」を意味する無線の暗号


ステッカーの素材

素材自体は「赤いホログラムシートのプリズム柄」になる。
プリズムのひとコマのサイズが19mm(3/4インチ)と25mm(1インチ)の両説あり、
パターンが読み取れるほど正確な写真資料が少ないため、手持ちの写真で検証する
限りはどちらとも断言できない。
いずれにしても、散々探したが日本で購入する事は難しい様だ



文字のカット

文字シール自体はエディがカットしたとの説もあるが、
恐らくカーショップ等に売っていた文字シールと思われる。
多分こんな感じ。(ちなみに、これは1枚84円)

その理由は

@「5」のサイズが2つとも揃っている
A斜めカット部の寸法が、5の左下を除いて同サイズ
B文字の線幅が約9mmで均一になっている


と、どれも適当にカットしたのではできない症状。
エディはフランケンのニョロといい、デストロイヤーの細かな模様といい、
フィーリングやノリでデザインするタイプと思われる。

つまり、文字カットはエディの作業とは考え難い。


文字の黒い縁取り

縁取りの黒については、縁どり無しシールを購入後、エディが黒マジックで線を引いたと思われる。
線幅はおおよそ1mm。


まずは何を使ってラインを引いたのか。


磨り減ってぼんやりとした状態のラインは中央が濃く、両端が薄くなるグラデーションとなっている。


もし黒い縁がマスキングによるペイントの物であった場合、マスキングテープとの境がエッジとなり、中央が濃くはならない。


もともとの印刷であった場合は均一に塗布されており、均一に磨り減るか、文字のエッジ側だけが良く擦れて薄くなる


マジックでキューっと引いた場合は、ペン先の中心部の塗布量が多くなると思うので中央が濃くなる

また、5150には縁取りがあって☆に縁取りが無いのも後から塗った裏づけになると思う。
米国製インクに拘るなら「sharpie marker」だろう。
アメリカ人の80%が使っていると言われるフェルトペンで、この件をアメリカ人に
「どう思う?」と聞いたところ、「Sahrpie markerだろう」と言っていた。


ちなみに、ワタシは三菱のパワフルネームを使う。油性顔料インクで、
名前用だけに樹脂上でも消え難い特徴を持つからだ。

これの細字-極細の、細字側を使う。


では実際にステッカーを再現する

さて、市販の切り文字ステッカーにラインを足したと判ったとしても、
実際にこのステッカーを今現在の日本で購入する事は叶わない。
1984年にタイムスリップして、しかも米国に行かなければ入手できないだろう。

やはり素材を入手して作り出すしかない。

ホログラムシートの目の大きさは現在日本で手に入るのが1/8インチか1/4インチ。これでは小さすぎる。
なんとか輸入するしかないのだが、私は個人的な友人経由なので、当然ここではご紹介できない。
申し訳ないが駒の寸法違いで納得するか、米国に友人を作っていただくかだ。
今回は1インチのマス目にて作成する。

実機写真をPC上で等倍に拡大する。基準はできるだけ長い寸法を基準にするのが良いが、印刷の都合でA4の範囲に
限定されてしまう。よってボディ全体では無理で、ブリッジからボディエンドが精一杯だ。
この範囲で間違いない寸法と言えばフロイドローズの弦ピッチかスタッド間隔。
より広いと言う意味でスタッド間隔をチョイスして横方向の寸法を合わせる。
撮影するカメラとレンズの関係、被写体との距離、カメラの仰角の影響で、横寸法を合わせれば
縦寸法が合うと言うことはまず無いと思ったほうが良い。
縦の寸法は、すでに入手した5150コピーボディ(Musikraft社は当時のKramerから採寸)を測り、
フロイドローズのスタッドからボディエンドまでを基準とする。

以下、プロセスを紹介する。
なお、各写真は右クリックして保存して頂ければ実寸が取り出せる。
いずれの図も下に20cmのバーがあり、これが20cmになるように印刷できれば、
そのままテンプレートとして使うことができる。


まずは実写真上でトレース


そして詳細寸法にしたもの。


そして文字寸法の詳細。


同様にカッタウェイとヘッドだ。




では実際にテンプレートとして上図を使い、切り出してみる


文字単位で切り出す


破線とシートの境目を合わせてセロテープで固定


全ての文字を貼り付ける。
なお、台紙は17cm×10cmあれば充分


文字をカットする。
もちろん刃物作業は自己責任で!


出来上がりを写真上で確認

☆も確認


フェルトペンで縁取りをして完成。