フライトケースの作成


フライトケースは高い!ちゃんとしたものは高い!
飛行機で運搬する予定は全く無いので、形から入る事にする。
でも宅配便での輸送に耐える程度の強度は必要。
そもそも
エディの写真で複数本入るツアーケースは見たことがあるが、1本入れは見ていない。
実際に1本入れのフライトケースは使用していないとの情報もある。
だから、フランケンレプリカのケース自体が半信半疑ではあるが
一番「らしい」ケースでもあるので、レプリカのレプリカを作る事にする。

こちらがフランケンレプリカのケース、USAアンビル社製
多分、すごく重くて高いんだと思う。
色々調べたが、アンビルケース単品で購入する事は難しそうである
ちなみに、フェンダーCSのジェフベックやTAK松本モデル
についているフライトケースもアンビル社製。
エディ用がどこ製かというよりもフェンダーの定番なのか、
プロ用御用達メーカーのどちらかだと思う。
これがアンビル社のロゴ。
HPはこちら
なんとアンビル社のHPの一番下にEVHサイトへのリンクが!!
これでフランケンレプリカのケースはアンビル社に決定だ!
こちらが入手したケース。
実はギター用ではなく、キーボード用。
YAMAHA DX7用である。
80年代〜90年代であろうか、当時のバンドでは必須のキーボードで
プロも良く使っていた。
かなり重いキーボードなので、それに耐えるケースは
当然頑丈なのであろう。
中はキーボード用なので仕切りらしいものは無い。
カドにウレタンスポンジがあるだけ。
加工するにはかえって好都合かもしれない。

ただ、パッチン金具なのでフライトケースらしいキャッチロックに
変更が必要。
仮に置いてみるとこんな感じ!
ピッタリじゃないですか!
このロゴはやはり入れたい。
HPに上がっているロゴから原寸大を割り出し、
縦横補正をしてデータを作った
良く調べるとHの縦線が下に行くほど細くなっている
ちなみに、
本来のロゴはこんな感じ。
線をひくので薄めに印刷。
紙はペーパークラフト用のちょっと厚くて硬い紙

VanHalenロゴはA4で収まるが、VHロゴはA3サイズが必要。
ウチはA4までしか出ないので2枚貼り合せている
幅が均等になるように測りながら線を引いた所。
これで清書となる。
(横線に×が付いている部分は、間違って引いた余分な線。
このラインは不要)

これに合わせてカッターで切れ込みを。
そして切り抜いた状態。
これがステンシルとなる。

ちなみに、
ロゴの最大幅(ウイングの左右先端間):34cm
ロゴの最大高(Hの先端までの高さ):19cm

(写真から逆算したので若干の誤差の可能性あり)
これをセンターに貼り付ける。
まずは白用のステンシル。
スプレーとも思ったが、ここは雰囲気重視。
ペンキの小さな缶を買ってきて、フタをつけたまま一度逆さまに
するとフタにベットリとペンキが付着する。
こうすると適量が取れるのでタオルにちょっと付けて
タンポの要領でペタペタと叩く

型が紙なのであまりじっくりと時間を掛けると型が弛んで
しまうので注意しなければならない。
次に青。
いきなり青を塗ってもしっかりと色が出てくれないので軽く白を塗る。

この後、同じ様に青をポンポンと塗る。
するとこんな感じに仕上がる!
しっかり乾かないうちに白のはみ出した部分はそぎ落とす
フランケンレプリカと比べて見る。
良い感じに仕上がったと思う
部品調達!

キャッチロックって言うんです。ネット通販で購入。
単品は1280円だが、送料、代引き手数料が入って2個で3500円位。

内装の布は手芸用品チェーン・トーカイのベビーボアスキン。
色を見たら綺麗だったのでアイボリーを選択。
メーター1780円程度で1.5m調達。

その他、
40mm厚と20mm厚の発泡スチロール。両方で800円位。
小物入れ用蓋にするベニヤ板、内装仕切りは1×4の建築材。
蓋側のクッションは後程。
ケース本体の加工を開始!

接着材が利かないので、元々の内張は完全に除去する。
スクレーパーとアラカンを使って内張りを剥ぐ。

完全に剥ぎ取ったら湿気対策に軽く油性スプレーのペンキを吹く。

加工に入る前に、まずはキーボード用とギター用のケースの違い!
重心がキーボードはセンター、ギターはボディ側と違うので
ハンドルをオフセットさせた。
片方の穴位置はそのままで極力穴は少なく!
まずは20mmのスチロールを一面に敷く。
なぜ20mmも必要か!?

詳細はのちほど・・・
その上に40mmのスチロールを置き、さらにその上に
ギターを置いて外形をトレース。
内張りも後から貼るので、3mm位大きめにするつもりで・・・
トレースした通りにカットする。
ホーン部は細かくせずにショートカットさせたが、後でフォローされるので
きちんとボディフィット形状となる。

一緒に小物入れ部分もカットされている
ネックが密着するように底上げ。
小物入れの枠を作る。
1×4の建築材で作成。
で、全てを仮置き。
スチロールは内張りを貼ってから接着する。
小物入れは裏からビス留め
これ!
実はホーン裏につけたヒートンの逃げである。

エディのフランケン最終形はこの位置にヒートンが来るので、
ケース側に逃げが必要になる。

だから底板スチロールは20mm必要になるんです
今ついているパッチン金具の取り外し。
リベットのセンターにある穴に向けてドリルで揉んであげると・・
リベットの頭がスポッと抜ける。
残ったリベットを裏から引っ張ればOK。
キャッチロックが入るように切り取り。
ヤスリで調整
キャッチロックを合わせて確認
一度蓋を閉じて、底側の開口の延長で蓋側を切れば
位置出しはすごくカンタン!
で、キャッチロックをビス留め
裏はこんな感じ。
あとでこの飛び出したビスは当て木を追加してそこにねじ込んだ。
仮ロックして蓋側も取り付け。
写真は下穴あけ。
取り付け完了!
ボディ幅に対してケース幅がぎりぎりな為、パッチンロック跡に
付けるとキャッチロックの内側飛び出しがギターと干渉してしまうので、
パッチンロックとは少しずれた位置に取り付ける事になった。
キャッチロック2個が完了!
これでこそフライトケースだ!
真ん中にパッチンロックを追加。これはキーロックとして活用。
内張りのスチロールのカタドリを終え布をボンドで付けたかった事と、
40mm発砲スチロールでは高さが足りないため10mmのウレタンを
張り合わせた。
ボンドを付けて布を被せていく。
張り合わせた状態。
上が発砲ウレタン。
ベースとなる20mmスチロールを置き、両面テープを一面に貼る。
発泡スチロールは専用ボンドもあるが、長期使用を考えると
両面テープの方が良いかもしれない。
内張りのフォームを貼り付ける
ギターを仮置き。
物を作る時はポイントポイントで確認を入れるのが
失敗しないコツだと思う
内張りをしっかり貼り付ける。
広い面は両面テープ、細かなところや縁はG17ボンド。
再びギターを乗せて確認する
アップにした状態
蓋側も同じように加工。
こちらは全て発砲ウレタン。
理由はボンドがちゃんとついてくれるから
ボディもきっちり収まる。
蓋の逃げザグリは、ボリュームノブとフロイド。
それから弦はなるべく当てたくないという範囲で逃げている
ヘッド側
内張はこんな感じだ。
全体像。アンビル製とは長さは一緒だが、幅と厚みが少し狭い。
総費用は、ほぼ1万円。
(ベビースキンボアが一番高いので、工夫により安くできる)