Paint

ボディ塗装はリクエストにより、ヴァンヘイレンのバンブルビー柄。
本来バンブルビーはストラトシェイプなのだが、JKでトライする。
なお、塗装工程は本気フランケンと同じ工房+プロ用塗料を借りて、
超贅沢な、ヴィテージと同じ下地からのオールラッカー仕上げだ!

こいつがバンブルビー!


左:
まずはサンディングシーラー。ちょっと薄めにひと吹き。
後ろにチラッと見えるのは同時進行のウルフランケン。
同時に進めると実に効率的だ!

右:
サンディングシーラー2発目。
ちょっと厚めにボッテリと。

プロ用ラッカー塗料はガン吹き前提なので、缶スプレーとは比較にならないほど
塗料の粘度が高い。
だから缶スプレーでは信じられないほどベトっと塗っても決して垂れない!
左:
表面の毛羽立ちを軽くペーパーかけて除去。
そしてサンディングシーラー3発目。ちょっとだけ薄めに。

中:
本日最後のサンディングシーラー。再び厚く吹く。

右:
そろそろ裏面の様子もww
2日目のサンディングシーラー2発。累計6発。
そして3日目のサンディングシーラー2発。累計8発

裏面も含めて、塗布直後に薄っすら写真を
撮る自分の姿が映り始めた♪
塗ったばかりではあるが、ツヤっぽい。
もちろん乾けばツヤは収まる。
この下の写真の感じ。

この後サンディングをするので、下地作りに充分なサンディングシーラーを8発も吹いた。
但し、ラッカーなので最終的な塗膜は超極薄!
塗装を剥ぐときに、やわらかい材は必ずチップしたり、元々使っていたときの凹みがあったり。
そんな部分に濃い目の塗料を爪楊枝の先に付けてタッチアップ。
もちろん、ラッカーなので膨らみは落ち着いてくる。

さあ、これで次はサンディング
都合により2週間空いてしまった。そのお陰で塗装はサンディングするに
充分なほど硬化。
タッチアップした部分があったし、フラットトップだったので、表面と裏面だけ
ベルトサンダーをかけて頂いた。
もちろん、危険な作業なので私は手を出さない。
サンディングシーラーを8発もくれたのは厚塗りをしたのは、
ここで平滑を出す為。
#180→#240→#400→#600とペーパーをかけて、木目や打痕、
バスウッドは少ないが導管による凹みがなくなる所まで削る。
やすりをかけていくと凹んだ所がピンポイントでツヤが出るので、
出なくなるまでひたすらサンディングする。
量産ポリ塗装では全く必要の無い工程で、ラッカー塗装と言われる
量産ギターもこんな事しているとは考え難い。
だって、丁寧にやっていくと一時間以上かかる。
そして出来た生地がこの状態。
まるで木をサンディングしたようなサラサラ感!
もちろん、丁寧な下地作りが最終の仕上げに好影響する事は
明白でしょう。
手間や時間を惜しまない素人だから出来る作業で、この時点で
このギターは量産数十万クラスのギターに勝る塗装を手に入れたと
言っても過言ではないと思う!
さあ、次は捨て塗りを一発くれたら着色だ!
まずは捨て塗りのクリアを一発。
黄色そのままでは隠ぺい力が弱いので、下地から。
隠ぺい力の強い白と黄を1:1で混合。
そして2回吹き付け。
今度は黄色だけにして2発 (左2枚)

そして押さえのクリア1発(右)
さあ、いよいよストライプ巻き!

まずはエディの実機写真からストライプの太さを割り出す。
基準はフロイドローズの駒幅との比率。

太線が約19mm、細線は約4mm。
名前は忘れたけど大工道具で20mm弱に刃を
設定して、24mmマスキングテープをカットすると
一挙に太いのと細いのが出来る
ラッキー♪
ストライプを巻き始める。

エディの実機は、ほぼストラトボディだが、今回はクレーマーJK。
どちらかというと5150に近い形状なので、本気フランケンの様に実物大写真作って
テンプレート起こして・・・とはいかない。なので、現物あわせ&雰囲気あわせ♪
同時進行のホッシーノさんのウルフランケンと連続で一気に巻いたが、両方とも
フランケンを作ったときとは対極の方法!
太線を巻き終わったところ。
とりあえずおおよそ辻褄は合っている♪
細い線も巻いて、完成!
巻き漏れがないか、写真と対比。
写真のストライプを塗りつぶしながら
漏れチェック!

フランケンの赤に比べれば楽勝!
では、巻き終わったストライプを全方位からどうぞ!
この上から黒をペイント+オーバーラッカー。

やっぱり黄色を正確に写真で表現するのは
難しい・・・
で、塗装再開!
まずはクリアを一発。
変化は判りにくいかも。
いよいよ黒!
4発吹きつけ。
細い線を後から貼ったから、まずは細い線をペリペリ〜
黒に黄色、とってもシャープな感じがGOOOOOD!
続いて太い線をペリペリ〜

だんだんとイメージがww
本当は凄く楽しいです。この作業。
ひと通りはぎ終わり、ネックを仮付けして
イメージを。
恒例の全周写真です。どうぞ〜
裏と表。
あ、ちなみにKramerJKでやっているので、
ご本家バンブルビーとは根本的にボディ形状
が違いますから。
5150だったらだいたい一緒なんですが。
この後、ラインのエッジ処理とオーバーコート。
実はここからが大変なんです!
黄色の上にマスキングをして黒を塗ったので、どうしても黒の淵にエッジが立ちます。
フランケンだったらどうせレリックするので放置しますが、バンブルビーは元々エディの
ホームペイントではなく、工場で作られた工業製品。
だから綺麗に仕上げるにはこれではダメです。
極薄ラッカーなのでちょっと間違えるとすぐに
オーバーサンドしてしまうため、ここは#1000
の耐水ペーパーで慎重に均すと、
右の通りになります。 
 マスキングから漏れて入ってしまった黒ペイント。
 カッターのエッジで慎重にカリカリ。
ただ、どうしても少し残ってしまう。
黄色が剥げ落ちてはいけないので
ここまで落とせたらストップ。
で、ひたすら磨き続けること何時間・・・
実はひたすら地道で根気が要る作業なんです。
なんたってストライプ多いからwww

正直、これは量産じゃやりきれないだろうな・・・・
ジャックのすぐ横。
ちょっと汚くなってしまいました。  
忘れなければ補修します。
さあ、とうとう仕上げのクリアに入ります。
まずは一発目で裏表の写真 
2発目から5発目まで。
あんまり違いが無いので写真は流用ww
でもホーンのツヤがあるし、
現物はもっと黄色が鮮やか!
すでに完成品の様相を呈しております! 
オーナーさんが正月の夢で見たそうです。
「ヘッドもストライプに塗りなさ〜い!」
ありがたい天からの声に応えたいとのリクエストが急遽舞い込んで着ました。
ネックコーナーにて塗装を進めてますので、そちらもどうぞ!
日が変わって6発目〜9発目。
段差ができるので大目に塗ってます。
でもラッカーだからすぐに段差は出てくる
んですが、バフかけまではフラットを保つ
為に塗ってます。
次回、もう4発ほど吹いたら、1週間放置後
サンディング〜バフかけ。 
 さらに日が変わって10〜13発。
最後に2発。計15発クリアを吹きました。これで塗装は完了!お疲れ様〜

サンディングシーラー:8発(その後一旦サンディングで平滑化)
黄色:4発+押さえクリア1発
クリア1発後に、黒:4発
オーバーコートのクリア:15発。

合計32発!!!!
塗料自体は安いラッカーだけど塗装代が高い理由が判りますね。
すんごく手間がかかるんです!

しかも、それぞれ1発は物凄い塗布量で、缶スプレーでは信じられないほどドップリと塗って
いながらも塗膜は極薄(いわゆるシンラッカー)なんです。0.5mmもありませんから!
この後、サンディングしてバフかけです。
ポリなんて大陸では塗料プールに1回ディップして1mm以上の塗膜作ります!それじゃ音に良い訳が無い!
「オレのギターはラッカーって書いてあったぜ!」って方、ご注意を。
全工程ニトロセルロースラッカーってモデルは本当のハイエンドモデルだけです。
10万円台までは大体オーバーコートだけラッカーで、下は良くてウレタン、
伸縮率の違う塗装を組み合わせてウエーザークラックを出やすくするって手法もありますし。
#600で空砥ぎ開始。黒と黄色で段差になっている塗膜厚がフラットになるように研ぐ。
って物凄く必死でやったんだけどラチが開かない。 
師匠にお願いしてベルトサンダーで研いでもらった。
多分手でやっていたら3時間かかっても終わらないのが、10分程度で終わった。

エッジ等は手作業なので、そこだけコツコツと
進めて、右写真通り砥ぎ完了。
仕上げ用水研。

左:#800
右:#1000
さらに

左:#1200
右:#2000 
 どうだ!フラット!

あとは1週間放置後にバフかけしたら完成!

ちなみに、ラッカーは痩せて行くので、この時点でフラットでも
すぐにまた段差が出ます。
バフかけ開始。
自分でやったので、当然写真は撮れないww
一回目。ざっくりと。
超微粒子コンパウンドもかけて完成。
ヘッドは一部オーバーサンドがあったのでここから1週間乾燥。その後研磨。
そしてボディが完成!

オーナーさん、返したくなくなった!
とりあえず、売り物みたいになりました。

あとはアッセンブリーに行きます。