ブラスブロックの作成


ブラスブロック(サスティンブロック、イナーシャブロック)は、フロイドローズの背面に装着する。
サスティンブロックの名の通り、サスティンを充分に得るためのパーツだ。
そもそも、トレモロではないストラトのハードテイルやテレキャスター、Gibsonのテールピースや
チューン"O"マチックには装着されていない。ビグスビーにも無い。
ボディにガッチリ固定するタイプのブリッジは、そのビス止めで充分に弦振動をボディへ
伝えることができるが、フローティング構造のブリッジではトレモロのベースプレートと
スタッドとの点接触しか伝達源が無く、軽量なブリッジでは弦振動に負けてしまって
ボディに充分に伝えることができない。
だから、重量のあるブロックをベースプレートに固定し、充分な重量マスを得て
弦振動をしっかり伝える=サスティンを得る、為のパーツだ。
例えば、武道で同じ攻撃を受けるなら、軽量級よりも重量級の方が強い衝撃を受け止め易い
様なイメージかと思う(武道家ではないので、違っていたらスミマセン)

フロイドセッティングとブラスブロックの関係
フランケンのサスティンブロックはフロイドローズ初期型の大型と言われている
そのブロックのネック側の面と、トレモロキャビティの壁面とを

密着
させて音の向上を図っている。(右図)

通常のブロックで同じ事をしようとすると、キャビティに接ぎ木をしてブロックに
寄せるか、フロイド自体をネック寄りに移動する必要がある。
フロイドを移動する場合、スタッド穴を一旦埋めて空け直せば可能だ。(検証結果
エディはフロイドをネック側に移動させている。

組み立てる前の憶測ではあるが、エディのフランケンでネックポケットの
フロントピックアップ側に2〜3mm位の隙間が空いている。
フロイドを前に寄せた分、ピッチを合わせる為にネックをずらしたのではないか
と想像する。
入手方法
このサイト開設時には購入不可能だったが、
2018年現在は、Floydroseのサイトより購入できる。
http://www.espguitars.co.jp/parts/floydrose/
このページの最下段にある、Fat Brass Block(\3500)がそうだ。
詳細な寸法が不明ではあるが、恐らくそのことであろう。
なお、フランケンには37mmを選ぶぼう。

私は金属加工屋さんにお願いし、端材で加工してもらうことにした
6面フライスの材を作って頂き、穴あけやタップ切りは自分で加工した。
寸法調査
注意!
この寸法はFRT-5用であり、FRT-7はビス穴の位置と径が変わるので注意する事!
FRT-5ビスピッチ17.0mm→FRT-7のビスピッチは21.5mm
FRT-5のブロック固定ビスはM5、FRT-7はM4
他のフロイド、ゴトー製、タケウチ製、YAMAHAロッキンマジック、Ibanezエッジ、等については
未調査につき不明。
フロイドに付属していた情けないブロック
(時代により寸法が違うと思うので
一例として)

サスティンブロックと言うよりは、
裏のバネを引っ掛けるための中継の
役割しか無いと思う。
付属ブロックを元に、大型ブロックを
作るために起こした設計図。

スプリングを引っ掛ける穴は、オリジナル
の25度ではブロックを突き抜けてしまう為、
調整をした結果15度で成立。

12.5mmの厚みは、色々なサイトを調べた
結果。
素材としての販売は12mmか13mmなので
いずれにしても6面フライスでオーダー
可能な業者を探すべきだ。

なお、高さはその後37mmに修正された。
完成品
ブロック
単体
完成状態 
左から、

●32mm   
●42mm旧式
●特注品 
 
 左から

●特注品  
●42mm旧式
●32mm
   
スプリングホールに細いクギを入れてみた。
角度がばらばら。穴の位置も違う。
旧式は5度程度しか角度がついていない。
現行32mは25度
組み付け状態 現行フロイドローズ

32mmブロックは
100g
旧型フロイドローズ

42mmブロックは
140g
旧型フロイドローズ

特注ブロックは
220g
上の42mmから
57%増!

32mmからすると
2.2倍!